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債務者・連帯保証人の年齢に制限はあるか

債務者や連帯保証人の年齢に制限があるか。
行為能力を有する者であれば年齢の制限はない。ただし、債務者(法人の場合はその代表者)が高齢で健康状態に不安がある場合は、事業承継予定者の連帯保証を要する場合がある。

行為能力の有無で判断
信用保証における保証契約は民法および商法の規定が適用され、当然に関係者はこれらの法的な行為能力を有する者でなければならない。行為能力を有する者であれば年齢の制限はない。したがって、債務者(法人の場合はその代表者)が高齢という理由のみをもって信用保証協会が保証を謝絶することはない。ただし、債務者(法人の場合はその代表者)が高齢で健康状態に不安がある場合は、事業承継予定者の連帯保証を要する場合があることに留意する。

会社設立後、日が浅いため、法人税および法人事業税の納税証明書を提出することはできない。納税証明書の提出は必ず必要なのか。
創業者等々、事業開始後、最初の確定申告の時期が未到来の場合、納税証明書の提出は不要。確定申告の時期が到来している場合は、原則として納税証明書(または納付書のコピー)の提出が必要である。

納税証明書で事業を行っていることを客観的に把握
信用保証を受ける資格要件の1つとして、「事業を行っていること」が求められている。事業を行っていることを客観的に明らかにするための手段の1つとして納税証明書(または納付書のコピー)が利用されている。すなわち、納税証明書は、所得税、法人税、事業税または住民税(都道府県、市区町村民税)の所得割(あるいは均等割、法人税割)のいずれかについて、保証申込以前に納付期限の到来した税額があり、かつ当該税額を完納したことの検証であるから、客観的に事業を行っていることの事実の証明の1つといえる。なお、納付期限が到来しているにもかかわらず未納額のある納税証明書が提出された場合は、それぞれの税法により「延納」「納税の猶予」「納期限の延長」等が認められていることを確認する必要がある。所定の手続によらずに納税が遅れている場合、税務署等から差押えを受ける可能性があるため注意を要する。

常時使用する従業員に派遣・パート・アルバイトは含まれるか

A旅館が正規に雇用している従業員は190名であるが、毎年夏から秋へかけての繁忙期にかぎり、約2ヵ月間臨時に15名の従業員を雇用している。この従業員は「常時使用する従業員」に含まれるのか。

臨時雇用の15名は「常時使用する従業員」には含まれないと解される。通常「常時使用する従業員」のなかにはまったくの臨時的な従業員は含まれない。逆に名目は「臨時雇」であっても、実質的には継続して経常的に雇用している者は含まれると判断される。派遣社員については、派遣先企業との間で雇用関係がないため、「常時使用する従業員」には含まれない。また、会社役員(経営者)は、会社との関係においては雇用関係に立たないことから、「常時使用する従業員」のなかには当然含まれない。なお、資本金が信用保証の対象となる中小企業の規模を超過している会社で、かつ、従業員が一定数を超えている場合は、信用保証の対象となる従業員数に収まっていることを疎明できる資料を信用保証協会に提出しなければならない。

長期間継続的な勤務かで判断
「常時使用する従業員」とは、当該企業が経営の遂行に常時必要とする従業員であるが、「常時」であるか否かの判断にあたっては、企業の年間営業日数との関係も注意することが必要である。臨時の雇用者であっても、営業日数の相当部分(概ね50%以上と考えられる)について就業している者や、一定時間帯であっても長期間継続的に勤務している者は「常時使用する従業員」とみなされるが、季節的な一時期のみの就業者とか、週1~2回のアルバイト等は除外しても差し支えない。したがって、旅館業者が繁忙期に2ヵ月程度臨時に雇用する従業員は「常時使用する従業員」とはならない。

しかし、新聞販売店や牛乳販売店が早朝あるいは夕方のみであっても、配達員を通年雇用しでいる場合とか、飲食店等が臨時店員ではあっても通年雇用しているケース等は、いずれも「常時使用する従業員」に含まれる。なお、この場合、臨時雇用者の顔ぶれが入れ替わったとしても、使用する従業員数は変わらないものとして判定される。派遣社員については、派遣先企業との間で雇用関係がないため、「常時使用する従業員」には含まれない。会社役員については、会社との間に雇用関係は生じていないから従業員とはならない。また、個人企業において、給与を受けている家族従業員については、事業主(経営者)と生計を同じくしている三等親以内の親族であれば、「常時使用する従業員」には含まれない。

信用保証の対象となる中小企業は、資本金または従業員数のどちらかが中小企業信用保険法に定める規模に収まっていればよいことになっている。資本金は登記という公示制度によって客観的に確認できるが、従業員数の正確な把握は困難である。そこで、資本金が規制規模を超えていて、かつ、従業員が規制数の9割を超えている会社の場合は、次の資料を信用保証協会に提出することとされている(原則として①を、①が提出できないときは②から⑤のいずれか)。

①労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書
②法人の事業概況説明書
③健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届総括表
④給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書
⑤賃金台帳

例えば、資本金2億円の衣料品卸売業の株式会社で従業員が95名である場合は、資料提出の対象となる。卸売業の制限は資本金1億円以下、従業員100名以下であるので、例示の会社は資本金が制限を超え、従業員が制限の9割を超えているからである。

多角経営者の主たる事業とはなにか

資本金2億円、従業員200人でプロパンガスの卸売(年商20億円)と練炭の製造(年商3億円)を兼業している業者から、練炭材料の仕入資金の借入について信用保証利用の申出があった。保証の対象となるか。

申出の業者は卸売業と製造業の兼業であるが、卸売部門のプロパンガスの売上高が年商の85%以上を占めているため、その主たる事業内容は卸売業として理解すべきである。卸売業の中小企業者としての資格要件は、資本金1億円以下または従業員数100人以下とされているので、業者は資本金区分、従業員区分ともその規制を超えており中小企業者としての資格がないため保証の対象とはならない。

兼業の場合の資格の判断は売上高、従業員数などの割合を勘案複数の事業を兼業している企業の「主たる事業」はなにかを判断するには、事業内容の実体をよく見きわめたうえ、企業体として総合的に判断することが必要である。具体的には、それぞれの事業内容を比較し、売上高に占める割合がもっとも高い部門はなにか、設備や従業員をもっとも多く投入している部門はどこかなどにより割り出される。製造業と小売業、卸売業と小売業など業態の異なる業種兼業の場合は、資本金区分、従業員区分による規制により中小企業者か否かの資格判断を行う。

また、信用保証対象業種と対象外業種を兼業している場合は、当該信用保証対象業種が主たる事業であろうと従たる事業であろうと、借入資金が対象業種に係る事業資金として使用されるものであれば、保証の対象となる。ただし、この場合の当該事業者の資本金、従業員数規制については、企業体として総合的に判断されることになる。いずれにしても、兼業の場合における資本金、従業員数からする中小企業者の資格は企業体として総合。的に判断されることになる。たとえば、資本金2億円、従業員110人で缶詰、びん詰類の卸売業(売上年商の70%、投入従業員75名)、小売業(売上年商の30%、投入従業員35名)の兼業者は、卸売業と判断される。

したがって、資本金区分(卸売業1億円以下)、従業員区分(卸売業100人以下)ともいずれも卸売業の制限を超えているため、中小企業者と認められず、信用保証の対象とならない。また、資本金1億5,000万円、従業員数200人で家具、建具卸売業(年商4億円)、竹材容器製造業(年商1億円)の兼業者が家具仕入資金を必要とする場合も、この業者の主たる事業は卸売業と判断されるめで、資本金区分、従業員区分ともいずれもその制限を超えているため、中小企業者と認められず、信用保証の対象とならない。

営業許可名義人と申込人(経営者)が異なる場合はどうしたらよいか

ある百貨店地下で食堂を経営している業者から、信用保証の申込があった。食堂の経営者はもちろん申込業者であるが、食品衛生法に基づく保健所の許可は、百貨店名義で受けていた。このように申込人と営業許可証等の名義人が異なる場合、信用保証の対象となるのはどちらか。

信用保証協会が保証の対象とする資格要件は「適法に事業を経営している中小企業者」であるので、申込人が中小企業者であれば信用保証の対象となる。適法か否かの判断に際しては、許認可等がどうなっているのかの確認が必要となる。

中小企業の経営者が対象
信用保証協会を利用できる者の絶対条件は中小企業者の資格を有することである。すなわち、信用保証制度のよりどころとする「中小企業信用保険法」の第1条にいう「中小企業者に対する事業資金の融通を円滑にするため、中小企業者の債務の保証」が基本となっている。したがうて、信用保証協会め保証を利用しようとする者は、必ず中小企業者としての資格を備えていなければならない。そのうえで、許認可等を必要とする事業を営んでいるものについては、当該事業に係る許認可等を受けているものであることを確認する必要がある。第三者が当該事業に係る許認可等を受けていることにより、改めて申込人(経営者)が許認可等を受けなくても差し支えないものとされている場合に該当することから、申込人(経営者)が信用保証協会の保証対象となる。

以上のほか、特に個人企業においては、申込人(経営者)と許認可等め名義人が異なる場合が散見される。このような場合、原則として申込人(経営者)名義で許認可等を取り直す必要があるが、申込人(経営者)と許認可等の名義人が親子、夫婦、兄弟等三親等内の親族である場合は、当該許認可等の名義人を連帯保証人とすることにより、申込人(経営者)名義で許認可等を取り直さなくても保証の対象とすることができる。なお、生活衛生関係の事業(食料品製造・販売業、飲食店・喫茶店営業、興行場営業、旅館業及び浴場業に限る)ならびに酒類販売業および酒類製造業を営んでいる者は、申込人(経営者)と許認可等の名義人が親子、夫婦、兄弟等三親等内の親族である場合は、許認可等の名義人を連帯保証人としなくても差し支えない。

許可や認可事業対象資格はなにによって確認するか

①質流れの物品を専門に販売している業者は保証対象となるか。
②一般住宅を他の業者に外注して建築し、それを売却している業者は保証対象となるか。

通常の場合、許認可事業に属する者の資格はなにによって確認すればよいか。

①の場合は「古物営業法」の適用業種であるから、地区公安委員会から同法上の営業許可を受けていることが確認できれば、「物品販売業」に該当するので保証対象として認められる。

②の場合は「宅地建物取引業法」の適用業種であるから、所属県知事から同法上の免許を受けていることが確認できれば、「不動産業」に該当するので保証対象となる。

官公庁証明済の公式書類で確認
信用保証協会が保証対象とする中小企業の業種は、一般的な商工業者のほとんどが含まれている。ただし、その営業につき監督官庁等の許認可等を必要とするものについては、公式書類による確認が必要となる。通常、それぞれの事業を主管とする各官公庁が発行または認可した「許可証」「免許証」「認定書士等の公式書類(または「写し」)によって確認する。具体的な業種や関係法令等は、種類が多いので主要なものにつき別表にして掲げることとする。

債務者の資格や担保物件について調査する義務はあるか

信用保証申込受付に際して、金融機関としては申込業者の資格や担保物件等について、どの程度の調査をする義務があるのか。

信用保証申込に際しての金融機関の詞査は、信用保証協会と金融機関との間における信義則に基づいて義務づけられたものと解すべきである。したがって、前述にも述べたとおり、金融機関としては、申込業者が信用保証協会の保証対象としての資格(企業規模=中小企業者、業種等)および資金使途、担保物件の内容等について要件を備えているか事前に調査しておくべきである。

自行貸出と同程度の調査
信用保証協会と金融機関との間で締結している「約定書」の内容は、保証契約に関する事項の約定である。したがって、保証申込時における要件等については、必ずしも金融機関を規制するものではないと考えられるが、信用保証協会としては別途「信用保証事務手続要領」等を金融機関に対して明示したうえ保証の申込を受付けているわけであるから、金融機関としても、これら要領等に沿って調査を実施すべきである。

保証申込人の資格や申込内容、担保内容等については、通常金融機関がプロパー融資を行う場合と同程度の調査、確認をすべきであろう。特に不動産について、金融機関が徴求した担保を保証条件として保証協会宛優先充当する場合等は、当然登記事項証明書等の書類チェックのほか、実際に現地を確認する等、金融機関として相応の調査は実施すべきである。